ところ 八角園舎

とき  平成23年3月20日

第29回はっかく寄席

噺の会じゅげむ 定期公演

活 動 報 告

 八角園舎横の公園です。隣のグラウンドの試合の合間に、野球少年達(と鳩)が休憩中です。
 会場入り口には、お雛様とお内裏様、手作りの紙製の桃の花、ひなあられ。岡山の桃の節句は旧暦。桃の花も産地なだけに、なじみの花です。
 高座が完成するのを待ちながら、撥ならしする十七吉さん。今日はいつもより気合いが入っているのには、訳があります。
 結太さんと名刺交換しているのは、なんと!寝床の会(三重県)の南遊亭栄歌さんではありませんか!
 このHPを御覧になる方は、全国規模の御活躍や、本店や小倉での素晴らしい高座を御存知の方も多いでしょう。震災のため落語会が中止となり、お越しになったそうです。
 学生時代から生下座にこだわりのある栄歌さんは、長バチと、何種類もの笛を持参。下座に参加してくださいましたが、お客様も関係者も、「笛が入るとこうも違うのかぁ〜」と大感動。 特に笛の音色は、木造の会場には大変よく響いてうっとり♪
 日差しは暖かくても、この時期の八角寄席の会場はまだまだ寒いことを、お客様もよくわかっている様子です。しかし寒い季節は着物日和でもあり、廣加郎さんや結太さんは、出前に和服姿で行っているそうです。
 開演です。トップは吉備家めじろさん。マクラで東北地方太平洋沖地震のことに触れ、お見舞いを申し上げます。
 いつもは自分の出囃子の途中まで太鼓を打って高座に上がりますが、今日は「石段」も「安里屋ゆんた」も栄歌さんが打ってくれるので、少し余裕がもてます。『子ほめ』で会場をあたためます。
 二番手は、安里家結太さん。何の噺か、この格好でわかりますか?プロの寄席でもなかなかかからない(かけにくい?)『鈴ふり』です。
 大僧正が跡継ぎを選ぶため、千人の弟子を集めて禁欲を試す、というバレ噺。「この落語をやるなら、最高レベルのお客様の八角寄席に限る!」と結太さんは言っていましたが、無茶振りにも大笑いして下さり、寛大なお客様に感謝します!
 中トリは、ゲストの車家円陣さん。「下座の音色(「木賊刈」)があまりにも素晴らしいので、ずっと裏で聴いていたいような。」という一言目。「花見には時季が早いかな、と思って」とネタを変更されました。
 最初予定していたネタが、栄歌さんが近々かけようとしている噺の江戸版で、その分打ち上げで江戸と上方の違いや、談志師匠の話題で盛り上がっていました。
 演題は、『紺屋高尾』。三年間必死に働いた金で吉原に来た男の真心に、天下の傾城の心も動く、という純愛もの。円陣さんは、ふれあい寄席の出演も、今回八角寄席での出演も”第29回”だそうです。
 年末に早島町のいかしの舎、年明けに倉敷市の芸文館で寄席を開催されています。
 今日は「お客様が来られるか」「どういう雰囲気になるのか」と心配していましたが、いつもよりやや少なめの入り、雰囲気はいつもと変わらず終始和やか、といった具合でした。駐車場が一時間を越えると有料になるので、開演直前に車をとめたり図書館で用を済ませた方が、一気集まって下さっているようです。
 中入り後は、讃岐家かずのこさんによる『桃太郎』です。
 昔話の桃太郎で寝てしまう子どもの所で、「これは一昔も二昔も、前の話で」と言うと、会場にいた子ども達の方が妙に納得!の笑顔になっていました。それにしても今日は、子どもの噺と大人の噺が交じっていて、常連の子ども達は飽きる様子もなくどちらもついて行けるという・・・やはり八角寄席のお客様はハイレベル?
 本日の主任は、世間亭廣加郎さん。出囃子の曲の最後に、座るタイミングがきれいに合うと非常に気持ちいいものですが、この高座は慎重に上がらなければ怖いので、「中の舞がいい所で終われなくて、残念!」と言っていました。重厚な曲は、下座の側も気持ちがいいものです。
 演題は、『宮戸川』です。
 お花半七なれそめの艶っぽい場面で前半は終わり、宮戸川はほとんど演じられない後半に出てきます。若い二人を見て興奮気味の、おじさんとおばさんの会話の場面が特に笑えます。
 復帰直後は心配して廣加郎さんの出番をねらってお越しになる方もいらっしゃいましたが、この声量(と、記念撮影での素早いダッシュ)だと、全く心配なさそうですね!
 記念撮影です。
 打ち上げは来客二人を中心に、いつもより深〜い落語談義になっていました。廣加郎さん持参のアルバムで、若い頃の談志師匠や円楽師匠の貴重な写真も見ることが出来ました。栄歌さんには、今度は必ず高座着を持って来ていただきたいとお願いしました。その時をお楽しみに♪