ところ 八角園舎

とき  平成17年6月19日

第4回八角寄席

噺の会じゅげむ 定期公演

活 動 報 告

 全国的に梅雨に入った途端雨が降らず、岡山も雨の心配はありませんが、蒸し暑い一日でした。岡山県は三つの河川(東から吉井川・旭川・高梁川)を水源としており水量に差もあるため、住んでいる地域によって人々の水に対する意識も違うようです。
 八角園舎の寄席では準備も早く終わるので、練習する人、腹ごしらえしている人、建物の周りを見て回る人など、ゆったりムードのひと時です。
 「えー、右手に見えますのは〜」と初めて八角寄席出演の弘遊さんを案内してるの?小桃さん。今回も運転して来られた司之助代表には開口一番をお願いしちゃいました。 
 真剣な表情でネタをくる十七吉さん。
 あじさい模様の綿紅梅の浴衣は、お友達の“りのさん(リンク先http://www.geocities.jp/onnanokokibunn/)から頂いたものだそうです。この後マクラで、「最近自分の中で、琴モードと落語モードの切り替えがつかなくなってきた。」と言っていましたが、そういう訳で、次回ふれあい寄席は一年半ぶりにお琴で出演予定!
 開演前にちらし配りする小桃さん。日曜の図書館は家族連れの方も多く、寄席会場でも子供達の姿が多かったようです。
 本が好きなお子さん達だけに、落語を理解する力はこちらの想像以上で、中には7席通して聴いてくれた小学生も。あまり生の落語に触れる機会のない岡山の子供達が、私達の会を通して落語の楽しさを知ってくれたら本望です。
 トップバッターは、寿亭司之助さんによる『老婆の休日』。
 病院の待合室でのお婆さん達の会話だけですすむ噺なのですが、老若男女誰が聴いても笑える内容で、粗品のお茶目当てで来ていた5人組の子供達も「楽しかった!」と大興奮。
 盛り上がった雰囲気の中、二人目の吉備家めじろさんによる『茗荷宿』へ。
 宿屋の夫婦が、食べ過ぎると物忘れが激しくなるといわれる“茗荷”を客に沢山食べさせ、二百両をいただいてしまおうという魂胆でしたが・・・。岡山では落語のTV放送が少ないので、めじろさんはインターネットを参考にしているそうです。
 客席は風通しのいいポイントがあるようで、席によっても暑さが違うようです。
 7席通して聴いて下さったお客様も多く、ありがたい限りです。この日は46人のお客様にご来場いただきました。
 お次は花乃家めぞんさんの登場。彼が高座に上がり名前を言っただけで、なぜか会場からもれるような笑いが。「この人、何かやってくれそう」とお客様も感じるのでしょうか。
 相撲に関する知識を十分披露し、子供達に四股名をつけてもらう等工夫したマクラをふって噺へ。外国人力士をもつ親方同士が居酒屋で愚痴を言い合う、という『国技・インターナショナル大相撲』というお噺です。

 岡山支店では今回の7席、というのは長い方で、お茶子の小桃さんも大忙しです。風が吹き込んで名ビラがめくれるのを防いだり、彼女の細やかな気配りに助けられています。
 演者の側から見ると会場はこんな感じです。
 開け放った扉のむこうから覗いて行かれる方も多く、赤ちゃんを抱いたお父さんの姿や、腰掛けて真剣に聴いているカップルもおられました。

 涼しい所をキープしつつ受付する十七吉さん、トリで着替える前の凡々さん。お茶子の小桃さんは暑いので、ハッピを脱いだり着たりしていますね。
 続いて阿遊亭弘遊さんによる『へっつい盗人』。
 弘遊さんも名乗った瞬間、その芸名のセンスにお客様から「ほぉ〜」という声が上がっていました。友達の引越し祝いにする“へっつい”を盗みに行こうとする二人組。真面目に計画した男と、盗人をしている意識のうすい阿呆な相方とのかけ合いが笑えます。
 五番目は備前家十七吉さんの『つる』です。
 つるは昔は“首長鳥”と呼ばれていて、それがなぜ“つる“になったのか、というお馴染みのお噺です。女性が落語をする場合、男性の役を女性に変えてやるという方法もありますが、今のところ彼女はそのままの形でやっています。それにしても高座にあがる毎に豹変度が増していくような・・・。
 ひざがわりは、讃岐家かずのこさんによる『How to プレイボーイ』。 
 女性にどうしたらモテるか、お付き合いが出来るか、というネタは古典・新作共に永遠のテーマですね。おじさんからのアドバイスを実践しては失敗する主人公の豊かな表情に、会場もなごやかな笑いが。よい雰囲気でトリの凡々さんにつなぎます。
 出たり入ったりしている二人をパチリ。(と言うより、カメラに寄って来た)子供達だけでこれ程ウロウロ出来る場所って、今の時代限られますよね。
 皆さん、図書館はいいですよ!落語の本やCDもありますし。
 本日のトリ、笑皆亭凡々の登場です。
 演題は涼しげな着物によく合う『青菜』。 仕事先の旦那夫妻のやりとりに感動した植木屋。長屋に帰って女房と一芝居うちます。学生時代演じた自分のテープを参考にした凡々さん。驚く程「声も早さも全然違う」んだそうです。一度聴かせてもらいたいですね。トリにふさわしく、さわやかな笑いをとっていました。
 打上げはいつもの「サンデーサン」で。冷麺がおいしそうですね。
 先週めぞんさんは全日本社会人落語選手権に出場されました。HPの掲示板でもレベルが高かった様子が伺えますが、彼自身は「素晴らしい方々と同じ高座に上がり、お話させてもらったことが一番良かった」と言っていました。
 岡山支店のHPを見て問合せ下さった方がこの日寄席に来られ、演者として入会が決まりました。メンバー紹介をお楽しみに!
 それにしてもこの男性二人は旧知の仲のようにずーっとおしゃべりしていましたよ。この会に入ったからこそ、住む場所や全く接点のない人とも出会いがある、うーん、落語って素晴らしい!